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社会交通工学科3年 大宮 諒 |
1.はじめに 皆さんは鉄道模型と聞くと何を連想するだろうか。ブック形のケースの中に、完成した状態の電車が並んでいると連想する人が多いだろう。 しかし、鉄道模型には完成したものばかりではなく、キット状になっており自分で組み立てるものも存在する。最近は完成品が主流になっており、キットは存在が薄いものとなってしまったが、完成品と比べてキットは安価で手に入ることができ、自分で工夫したり改造したりしながら完成させるという楽しみを得ることができる。 これから、グリーンマックス社製の未塗装ボディキット「東急8500系5輛編成セット」を用い、鉄道模型キットの基本的な製作法を紹介する。なお、ここで紹介する製作法は、カタログなどに掲載されている製作法とは一部異なるので注意していただきたい。 2.キット製作に必要なもの ・キット本体・塗料・マスキングテープ・タミヤセメント・Mr.うすめ液・台車(両数分)・パンタグラフ・動力ユニット(1編成に1台)・ホビー用接着剤・瞬間接着剤・面相筆・ピンバイズ・ドリル刃・はさみ・プラモデル用ニッパー・カッターナイフ・やすり・定規・カッター板・ピンセット 3.製作法 (1)説明書を良く読む まずは、説明書を良く読み、全体の組み立ての流れを理解する。同じパーツでも、接着する位置が異なるものがあるので、パーツをつける場所をよく理解する。 (2)パーツを切り取る パーツは、ニッパーを用いてランナー(枝)から切り取る。切り取った所を、ヤスリで磨いてきれいに仕上げる。必要なパーツだけを切り取り、細かいパーツは接着する直前まで切り取らないでおく。 (3)車体の組み立て 切り取ったパーツを、タミヤセメントを用いて接着する。側面パーツと妻面パーツを写真のようにL字形に接着し、それを2セット製作する。接着剤が完全に固まったら、2つのL字型パーツをロの字になるように接着する。 (4)屋根の加工 (5)屋根の接着 ロの字型パーツに屋根をはめ、マスキングテープで固定し、裏側からホビー用接着剤、または瞬間接着剤を流し込み接着する。完全に固定されたら、マスキングテープをはがす。 (6)塗装 完成したボディを中性洗剤で洗い、換気の良い場所で、写真のようにスプレーを吹き付けて塗装を行う。まずはうすい灰色のスプレーを全体に吹き付け、ボディに埃や油がついていないか確認する。もしついていたらサンドペーパーなどで取り除く。そのあと屋根の色を塗装し、完全に乾いてから屋根全体をマスキングテープで覆い隠し、ボディの塗装をする。屋上機器を塗装するときは、両面テープなどで固定してスプレーする。 (7)ボディの塗装 先頭車の場合、まずは前面に赤ラインの色を吹き付ける。乾いたらラインになる部分をマスキングテープで隠し、ボディ全体を銀色で塗装する。中間車の場合は、赤ラインが入っていないので銀色の塗装のみ行う。 (8)ステッカーの貼付け ステッカーは、好きなものを選び必要な部分をカッターで切り取り、貼付ける。 表面の塗装を保護する「クリアーコート」は、銀色の上に塗装すると色が悪くなるので使用しない。 (9)屋上機器、床下の組み立て 屋上機器を接着剤で取り付ける。細かいパーツはピンセットを使い取り付ける。床下は床板を切り離し、そこにウエイト(キットに付属している金属の棒)を載せ、床下機器のパーツを接着する。 (10)窓ガラスの貼付 キットに付属している透明で細長い塩ビ板は窓ガラスとして使うものである。それをボディの長さにあわせてはさみで切りとり、ボディの裏からホビー用接着剤で貼付ける。タミヤセメント、瞬間接着剤では貼り付かないので注意。 (11)仕上げ 床板をボディに接着し、台車、パンタグラフ、動力ユニットを取り付ける。台車とパンタグラフは穴にはめるだけで取り付けられる。動力台車は、グリーンマックス製品は床下機器を取り付け、両面テープでボディに固定させる。それ以外の製品(鉄コレ動力など)は、ボディの裏の出っ張りをすべて削り、取り付ける。 以上で組み立ては完成である。後は各種ステッカーを貼付けたり、細部の加工、塗装などを行って本物に近づけてゆく。 |
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